第118章

加藤柚奈は顎をきゅっと持ち上げ、背水の覚悟を刻んだような目で言い切った。

「すぐに分かるよ。そのときになれば、誰が本当にあなたを愛してるのか……分かるから」

そう言い捨てると、踵を返して去っていく。

田中尚哉はその背中を見送り、眉間に皺を寄せた。加藤柚奈がこのまま引き下がるはずがない。だが、何をしてくるかまでは読めない。

――狂ってる。

晩餐会も折り返しに差しかかった頃、会場の照明がぱっと明るくなった。司会者が壇上に上がり、チャリティーオークションの開始を告げる。

田中辰哉は大島莉理の隣へ戻ってくると、さっき田中尚哉と何を話していたのかも聞かず、尚哉を一度だけ淡く見やり、何事もな...

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